2009年6月24日水曜日

翼型についての誤解

 飛行場は社交場、誰が言ったか知りませんが、うまいことを言います。身体を動かして打ち上げたり、スティックを操作している時間よりも、ただ無駄話をしている時間が長いのは、どの場所でも変わらないものなのでしょうか。
 失礼、無駄話などではなく、テクニカルかつ有益な議論が行われることもあります。その中で小耳に挟んだこと-ねじり下げ-について書いてみます。

 いきなり結論めいたことを書いてしまいますが、主翼前縁頂点と後縁頂点を結んだ直線が、主翼の各部分の翼型でそれぞれ変化すること、翼端に向かうに従い、その角度がマイナス方向に向いていることを称してねじり下げが付いている、という表現は、間違いを含んでいることに注意してください。
 取り付け角が水平尾翼に対してゼロ-ゼロであったり、ごくわずか主翼にマイナスの迎角がついているのを過度に忌避するのも同様です。

 翼型は、迎え角0であっても揚力を発生するものもあれば、そうでないものもあります。翼端に近づくに従い、揚力係数が小さくなってゆくもの、言い換えると主翼付け根の翼型に比べて、同一迎角時の揚力係数が小さいものは、たとえ迎角が付け根と翼端で全く同じであってもねじり下げ
(効果)がついているものと言えます。
 上の図は、様々な翼型の様々なレイノルズ数での、迎角と揚力係数を表現しています。曲線が
きわめて多数あるためにバンド状に見えますが、注目すべきは迎角0度の時に既に揚力を発生しているという結果です。

 HLG用の翼型の多くでは、揚力がほぼゼロになる迎角は-3度付近です。これ以上の迎角がついた場合、揚力が発生します。