さて、軽い機体も修理を繰り返し、だんだんと重くなってきてしまいます。もうこの機体もダメかな、価値のある内に誰かに売却しようかな、と考える時、それが当初に比べてどの程度劣化したか、気になりませんか?SuperGee2の設計の場合、220gの新品時と5%増しの231g時では以下のような差が生じます。
- 最小沈下率は、新品の方が約1.5%、良い
- 失速開始速度は、0.4km毎時、新品の方が良い(遅い)
- 打ち上げ高度は恐らく、2%程度新品の方が良い
- 最良時の滑空比L/Dは新品の方が約1.3%、「劣る」
上記の数字は逆の読み方もできます。上昇風があまりなく、素早い移動が困難な風の強いコンディションであるならば、バラストを積んで機体を重くした方が、上空を我が物顔に飛び回れるということです。競技中には、ベタベタの無風・微風なんてことは滅多にないのです。上昇風が地形に強く依存することを思い起こせば、対気速度だけではなく、対地速度も重要だと言うことに強風時には気づかされます。
「先生」(鳶)の体重は、なんと1kg弱にもなるそうです。彼らは重い体重をL/Dに転換し、なるべく広い空域・・・いや地域で餌を探そうとしているのです。