2009年2月9日月曜日

上昇風サーチ能力

 ハンドランチグライダーに於ける、勝つための重要な要素、素早く上昇風を探すためにはどういったことが必要でしょうか。
 一般的に「足がある」「足がないが浮く」などの表現がとられます。「足」とは何でしょうか。中速域(時速25キロ毎時以上の速度が取れる迎角で飛ぶとき)での滑空比L/Dと言えましょうか。
 パワフルな競技者によって高く打ち上げられたグライダーが、上昇風をサーチすることを考えます。このとき、ゆっくり飛んではいけません。ゆっくり飛ぶと、上昇風に対する機体の反応はよく見えますし、最小沈下率あたりの迎角を使用すれば、降りてくるのも遅そうに見えますが、前項の通り上昇風をサーチする面積は、フライトパスの2乗に比例するために、足を伸ばさないゆっくりとした飛ばし方は不利なことが判ります。

 もう一つ、下降風帯を突っ切る(すぐに90度のフライトパスに操舵すべきですが)場合、最小沈下率あたりのゆっくりとした速度では、突っ切る時間が長くなります。

 上空に打ち上げたら、キャンバーを最小沈下率の位置に下げるべきではありません。むしろ、クルーズもしくはスピード!の位置に操舵し、スピーディーに上昇風のサーチに入るべきです。上昇風のただ中に入ったところで初めて、キャンバーを最小沈下率の位置(多くの翼型では+2度前後)に下ろし、素早い上昇を行います。

ランチ高度

 321をやるからには勝ちたいものです。クラブ内でも、競技会でも同じ。俺は勝ち負けには興味がないからといいつつ、やはり勝てると気分がいいものです。
 それに、勝つというのは自分がどれだけ上達したか、また良い機体を持っているのか、という指標になります。ずっとへこんでいた人が、最新鋭機を入手したとたん負けなくなった、ということがあります。
 負けないというのはどういう事なのか。ハンドランチ競技には先ず以下の要素があると考えます。

  1. より高く打ち上げること。
  2. なるべく素早くサーマルを発見し、乗ること。
  3. より丁寧な操舵をし、効率よく上昇すること。
 上記は一人で飛ばす場合でも集団で競う場合にも大事な事項です。
 
 より高く、は、より広く・より長い時間、上昇風を探索できることを意味します。滑空比が同じだとすると、50mの打ち上げ高度の競技者と、60mの打ち上げ高度の競技者がサーチできる面積は、非常に単純な例として円形に回りながらサーチすることを考えると、高度分だけ円周長が長くなりますので、サーチできる円の面積は円周長の約2乗に比例し、前記の例では、60mの打ち上げ高度を持つ競技者のサーマルヒット率は50mの競技者の約1.44倍になります。

 円形の真ん中にサーマルがあれば検知できませんし、軌跡長もものを言いますので2乗というのは正確ではないにしろ、実際競技した感覚では2乗に比例すると言い切って構わないと思います。

 実際の滑空場では、低空にある熱上昇風ほど気まぐれで不安定であり、捕まえにくく、捕まえたとしても上昇率があまり良くはない、高度が上がれば安定したそれを捕まえやすいという要素もあります。

ランチ屋

自身の考えを整理するために、ハンドランチグライダーに関する諸々を記していきます。