- いや、俺のグライダーは最小沈下率が小さいぞ。打ち上げ高度は取れないが。
打ち上げ高度50mの中で、最も熱上昇風を掴みやすい高度範囲、そんなのわかるわけないだろ。定量的じゃないね。・・・その通りですね。では、上昇風を掴むチャンスが50mの中に均一に分布しているとして、貴方が高度5m以下で上昇風を掴む確率と、高度50mから45mの中で掴む確率は同じでしょうか?どうです?地上5mの中には屈辱しか埋まっていないように思えます。
・・・むろん、そこから上げ直し、ライバルを打ちのめせば一躍ヒーローですが。
打ち上げ高度は、高度の自乗倍の強度でチャンスが与えられることを思い起こすべきでしょう。多少他を犠牲にしてでも、打ち上げ高度が高い競技者と機体が、勝ちに恵まれるように思います。
他競技者に与える心理的影響も無視できません。敵の機体の特性がわかっていない場合、先ず打ち上げ高度が低いだけで「まいったな」という気分になります。「打ち上げの途端、もう差がついちゃってるんじゃないか」
日の下に新しいものなし。良く観察をすれば、同じ上昇風に入ったときの上昇率が良くない=最低沈下率が劣る、とか、足を伸ばしたときの沈下が大きい=L/Dが良くない、といった弱点が見えてくるはずであり、悲観するばかりでもないはずですが、競技中は脳の処理能力のほとんどが操舵に奪われるのでそこまで気が回りません。
さらに悪いことに、打ち上げ高度の低い機体は、高度の高い機体のウインド・ダミー(風見)にされてしまいます。上を飛ぶものにとって、これほど楽なことはありません。他の低い機体は、全てサーマルセンサーなのですから。
どうすれば高い打ち上げ高度が取れるのか、考えてみませんか。