2009年2月10日火曜日

よりよい条件でのサーチ

高く上げてさっと走る。では走るときには何に注意を払ったらよいか考えます。
  1. 無駄なサーチをしない
  2. 上昇風のありそうな場所を探す
  3. 下降風を避ける
 無駄なサーチに関しては、OldBuzzadで述べられているので特に重ねませんが、たかだかL/Dが16前後のHLGについて言えば、ジグザグサーチは効率が悪いように思います。ターンを行っている時間中は、ほぼ同じ空域に留まってしまうわけで、ターンの半分を費やす時間はほぼ無駄に費やされてしまいます。ターン全体で約2秒を費やすとすると、時間にして約1秒、獲得高度で0.3mを無駄にしてしまいます。
 さらに悪いことに、操舵は速度を殺す操作になります。ターン後は加速のために更に高度を落とす必要があり、効率悪いことが解ります。
 HLGの場合、基本直線飛行、それも偏流60~30度程度をしながら風上に向かうのが効率がよいように思います。

 平らな地面の上をサーチし続けることは無駄が多いものです。熱上昇風の生い立ちを考えれば明白です。上空の空気よりも僅かに暖かな大気は、何らかのきっかけを以て上昇風に変化します。極めてゆっくりと、静かな環境で暖められた大気は、地面に長い間へばりついていることでしょう。それが剥がれて上昇風に変化するためには、地面の起伏、地面の表面特性の変化、木や建物などの遮蔽物などに衝突すること、が必要です。
  • トタンの屋根(最近はガルバリウム鋼板と言うそうです)
  • 競技者の乗ってきた自家用車(黒塗りならさらによい)
  • 小屋や建造物、土手などの突起
  • 冬の野原の枯れ草
  • 野原の中のアスファルト道路
  • 立木
 全く無風の時という条件は極めて希で、大体は風速1~6mの風が吹いている事と思います。地面にへばりついた熱空気は、風に押しやられながらユラユラと漂い、前記のきっかけを契機にして回りの熱空気を自身に引き寄せながら地面から剥がれ、風に乗って流れながら熱上昇風に変化してゆきます。
 熱上昇風のこの様な生い立ちを考えれば、前記変化のある場所の若干風下側の上空をサーチするのが最も理に適っていることが解ります。

 下降風は、前記上昇風のことが頭に入っていれば、逆の操舵をすることにより避けられる確率が高まります。熱上昇風が上昇するのと同じ体積の下降風が、上昇風の周囲に生じます。恐らく・・・ですが、その分布は、風に対して熱上昇風の前方に多く、また後方に多いケースが多いように思います。無論、地形的要素を無視はできません。小さな池のそばに熱上昇風が生じたとき、下降風は高い確率で池の上から生じることでしょう。暖まりにくい、もしくはしめった場所の上を飛ぶことを先ずは避け、下降風に入ったら迅速に操舵を行いフライトパスを転換することで、先ずは下降風を避け、さらには上昇風に入る確率を高めます。フライトパスの転換角度ですが、60度から120度の間が良いように思います。