さて、打ち上げ高度の高い機体とは、どのような機体なのでしょうか。前項でほぼ解答はでており、以下のような機体です。
- 打ち上げ時に抗力が少ない
- 重量が少ない
- 翼面積が同一で、150ミリと180ミリの翼弦長の差を持つ主翼の、時速100キロ毎時時の抗力は、前者の方が約2%、少ない。
- 同じ180ミリで、翼面積が20デシ平方と22デシ平方では前者の方が7%、抗力が少ない。
- 最大翼弦が150ミリ、翼面積が20デシ平方、アスペクトレシオが11.25と16.2では前者の方が7.5%、抗力が少ない。
- 翼面積同一、150ミリ翼弦長で、翼厚が90%と100%の場合、前者の方が17%、抗力が少ない。
上記の事実より、支配的なのはまず翼厚、次いで前縁投影面積(翼長)、翼面積であることがわかります。そしてアスペクトレシオと翼弦長自体はあまり重要でない。
翼面積が適度に小さく、翼厚が適度に薄く、全備重量が軽ければ・・・より高い打ち上げ高度が得られる機体である、と推論できます。
機体ベンダは、消費者に情報を提供するため、少なくとも翼面積や最大翼弦長、設計重量を公開すべきでしょう。