2009年2月11日水曜日

打ち上げ高度のために2 上がる機体とは

 打ち上げ高度の高い機体を手に入れるのは、経済力のある競技者にとってはとても良い手段です。他ジャンルと違い、F3K競技に使用される機体の価格は一般的に低く、非常に労働集約的な製品にもかかわらずそのほとんどが10万円以内で全てが揃うというものになっています。10万円は確かに安価とは言えませんが、それで競技の上位に入れるだけの機材が手に入ると考えれば、比較的ローコストな機材競技とも言えるかもしれません。
 さて、打ち上げ高度の高い機体とは、どのような機体なのでしょうか。前項でほぼ解答はでており、以下のような機体です。
  1. 打ち上げ時に抗力が少ない
  2. 重量が少ない
 抗力が少ない機体とはどのような特性のものでしょうか。最近では、翼弦長が150ミリ前後にもなる翼面積の小さな機体が出現してきましたが、重要なのは面積なのでしょうか?それとも翼弦長なのでしょうか?それとも面積と翼弦長・スパンより導出されるアスペクトレシオなのでしょうか。
  • 翼面積が同一で、150ミリと180ミリの翼弦長の差を持つ主翼の、時速100キロ毎時時の抗力は、前者の方が約2%、少ない。
  • 同じ180ミリで、翼面積が20デシ平方と22デシ平方では前者の方が7%、抗力が少ない。
  • 最大翼弦が150ミリ、翼面積が20デシ平方、アスペクトレシオが11.25と16.2では前者の方が7.5%、抗力が少ない。
  • 翼面積同一、150ミリ翼弦長で、翼厚が90%と100%の場合、前者の方が17%、抗力が少ない。
 上記はSuperGee2の設計を種々変更した場合の例です。どの様な胴体・尾翼が付属するか解りませんので、当然翼のみの解析です。
 上記の事実より、支配的なのはまず翼厚、次いで前縁投影面積(翼長)、翼面積であることがわかります。そしてアスペクトレシオと翼弦長自体はあまり重要でない。

 翼面積が適度に小さく、翼厚が適度に薄く、全備重量が軽ければ・・・より高い打ち上げ高度が得られる機体である、と推論できます。
 機体ベンダは、消費者に情報を提供するため、少なくとも翼面積や最大翼弦長、設計重量を公開すべきでしょう。