- 機体のセッティングを見直す
- 今の機体を捨て、良く上がると言われる機体に買い直す
- 打ち上げするための筋肉を増強する
- 投げ方を工夫する
これは、以下の2点に収束します。
空気抵抗 を削減する- 重量を削減する
打ち上げ動作をごくおおざっぱに表現すると、ある一定の力積を与える動作と簡略化できます。打ち上げ直後の機体の持つ運動エネルギーはこの力積(力×時間)に比例します。この式に重量は顔を出しませんので、打ち上げられた直後に機体が持つ、上昇のためのエネルギーは重かろうが軽かろうが同じです。同じエネルギーを与えれば、軽い機体の方が高い高度に達するのは自明です。
高度の持つ位置エネルギーはmghで表現されますから
*
空気抵抗は、おおまかに速度の2乗で大きくなります。加速分まで考えると、空気抵抗は与えるエネルギー=競技者の筋肉に対して3乗の要素になり、非常に大きな影響を持つことがわかります。
SuperGee2の設計の場合、最良の取り付け角でも約115gの抵抗が130キロ毎時での打ち上げ時に発生します。
*取り付け角について
最も大きな空気抵抗の削減方法は、ブームに対する主翼と尾翼の角度関係-取り付け角を見直すことです。取り付け角は、ゆっくりとした飛行時の特性にはほとんど影響を及ぼしません。それはトリムを与えることで小さなファクターとなります。
打ち上げ時には非常に大きく効きます。打ち上げ時にほぼまっすぐ飛ぶようなトリムを与えたとき、ブームやポッドを含んだ抗力が最小に・・・つまりは空気抵抗が最小に・・・なるように取り付け角をセットします。これは、前縁投影面積が最小という条件とは一致しないことに注意を払う必要があります。HLG用の多くの翼型では、-0.5度付近の迎角で打ち上げ時に必要な浮力に対し抗力が最小になります。
通常飛行時にも取り付け角は意味を持つことは持ちますが、前述の通りトリムで解決できます。繰り返しますが空気抵抗は速度の自乗で効きますので、低速時よりは高速時のセットにより注意を払うべきです。ごくおおざっぱには、HLGで使用される翼型のほとんどでは、取り付け角はゼロ-ゼロ-(ブームに対して)が一番抗力が少なくなります。