本日の午前中は日本中いい天気でしたが、午後になるとやはり日本中強風だったようで、風アメダスの足が長い絵が印象的でした。春は荒れます。僕がまだ若い頃、ハンググライダーに搭乗しある山を越えようとしていると、急に毎秒10メートルのリフトに入りました。毎秒10メートル、これは異常な数値です。特上の上昇風でも、5m毎秒がいいところです。万歳とばかりに上昇を始めましたが、どうも熱上昇風とは様子が違います。風に凶悪な表情がある。待てよ、と身構えた瞬間、今度は10メートル毎秒の下降風に突入しました。石のように落ちてゆきます。舵は全く効きません。…恐怖の数分間でした。春は各所に微小な前線ができます。時に大きな旅客機でさえ、この微小前線に捕まるとたたき落とされることがあります。
どんなに荒れた風の中でもHLG競技は行われます。明確で扱いやすい熱上昇風がなく、洗濯機の中のような荒れた春の突風では、打ち上げ高度もそれほどのアドバンテージにはなりません。というのは、このようなコンディションの場合、上空高いほど荒れており、様々な角度から風が襲ってくるので迎え角の維持も困難で、簡単に高度をロスしやすいからです。低空の方が風速は小さく、姿勢の維持も容易です。となれば、ウエーブを探し、低空で粘っている方が勝ってしまうケースも考えられます。
ただ、日本では公式競技はあまり春には行われないので、レアケースであるとは言えましょう。やっぱり、打ち上げ高度は第一義に重要なのです。
高い打ち上げに関しては、既に何度か述べていますが、本稿では一番注意すべき所はどこかを考えてみます。弓道を思い起こしてください。矢を弓につがえ、射ます。戦闘では矢をつがえる動作も素早い必要があるでしょうが、狙いを定めて遠方の標的を射るのであれば、つがえる動作はゆっくりです。あまり焦っては動作が荒くなります。荒くなる、ということを判りやすく言うと、一つ一つの動作に集中できていないために最適な動きができていない、とも表現できます。矢を射るのは一瞬です。矢を射る直前までの動作は、速度の速い矢を放つのに必要な動作ではありますが、素早く行う必要はありません。無駄に速ければ、動作の要素が粗末になり、結果、矢の射出速度も遅くなることでしょう。
HLGの打ち上げにも同じ事が言えましょう。大事なのは最後の動作、つまりは最終時点での両足の位置、腰のひねり、腕ののばし具合なのですが、その「かたち」に入るまでの動作はゆっくりで良い、ということです。最良のかたちを作り上げるためにその前の動作があります。ゆっくりと、丁寧に、自分を観察しながら行ってみましょう。最適なかたちが出来上げれば、射出の最終動作はパワフルで、素早いものに必然的になります。
きっと、ゆっくりと投げ上げているのに、今までよりも高い高度に到達することに驚かれると思います。
2009年2月21日土曜日
速度に注意しながら飛ばす
日本は狭いようで広い土地です。いえ、面積的な面では過密な地域なのですが、そこに住む人たちの特性は地域ごとにバラエティに富むと聞いています。ある地方では他人のフライトに口を出すようなことは無いといいますし、またある地方では和気藹々とやじが飛び、またある地方では「何やってるんだ!ピッチングしてるぞ!!」と怒号が飛び交うようなこともあると聞きました。これも愛の鞭なのでしょうけれど、必死で操縦している競技者にとってみれば大きなお世話のような気もします。言われるまでもなく本人は体をねじったり送信機をひっくり返したり、必死なのですから。
冗談はさておき、ピッチングというものは操縦の未熟さのシンボルのようにいわれます。これは、-僕にとっては腹立たしいことには-全く正しい事実なのです。ピッチングはあなたの翼の酸素欠乏を意味しています。翼にとって気流こそが大事なものであり、ピッチングに入れて機速を失えば、次は頭を垂れて一気に高度を失う羽目になります。せっかく稼いだ大事な大事な高度を、無為に失うのです。これほどつまらないことはありません。
さて、ではどのように飛ばすべきでしょうか。一般的には頭を押さえて、などといいますが、定量的には、6.5度までの迎角の範囲内で飛ばせ、ということです。
右上の図は、横軸に迎え角、縦軸に滑空比、つまりあなたの翼の活きの良さ、をとったものです。迎え角6.5度を超えると、グラフが途切れています。これは、演算の途中に解の収束する条件を満たせず、答えが出なかったということを意味します。つまりは失速が起きていると考えればよろしい。一般的にHLG機に用いられる翼型では、失速は羽の中央部より起き、だんだんと翼端に向かって伝わりますので、ころんと翼端失速を起こすようにはなりにくいのですが、イメージ的には「活きの良さ」は6.5度を超えると一気に失われ、グラフにはありませんが滝のように一直線に滑空比が悪化すると考えてよいでしょう。
右の下側の図は、右上のものと全く同じ条件を、横軸を速度としてプロットしたものです。時速17キロのあたりでグラフが途絶えているのがわかります。時速17キロを割ると、あなたの翼は窒息し死んでしまうのです。生き返らせるためには、高度という代償を支払う必要があります。それは時に2~3mにもなり、競技者のため息のおまけもついたりします。
興味深いことには、最大の翼の滑空比が得られるのは時速20キロ近辺だということです。20キロから上はなだらかに悪化し、20キロから下側には急激に悪化します。となれば飛ばし方は明確で、速度を殺さないように飛ばせ、これだけです。
迎角を精密に制御するのは難しいことです。熟練ともなればある程度は見えてくるものらしいですが、駆け出しの僕にはさっぱりです。ならば、速度を殺さないように操舵をしろ、ということです。そこだけ気をつけて飛ばすだけで、あなたの翼は生き生きと空を駆け回ることでしょう。
もう一つ、アドバイスを加えるとすれば、ピッチングを起こしそうになったら通常はダウン舵を打って速度を維持しますが、上昇風センタリング中に有効な手としてエルロンを操舵し、深い角度に横転するやりかたもあります。

さて、ではどのように飛ばすべきでしょうか。一般的には頭を押さえて、などといいますが、定量的には、6.5度までの迎角の範囲内で飛ばせ、ということです。
右上の図は、横軸に迎え角、縦軸に滑空比、つまりあなたの翼の活きの良さ、をとったものです。迎え角6.5度を超えると、グラフが途切れています。これは、演算の途中に解の収束する条件を満たせず、答えが出なかったということを意味します。つまりは失速が起きていると考えればよろしい。一般的にHLG機に用いられる翼型では、失速は羽の中央部より起き、だんだんと翼端に向かって伝わりますので、ころんと翼端失速を起こすようにはなりにくいのですが、イメージ的には「活きの良さ」は6.5度を超えると一気に失われ、グラフにはありませんが滝のように一直線に滑空比が悪化すると考えてよいでしょう。
右の下側の図は、右上のものと全く同じ条件を、横軸を速度としてプロットしたものです。時速17キロのあたりでグラフが途絶えているのがわかります。時速17キロを割ると、あなたの翼は窒息し死んでしまうのです。生き返らせるためには、高度という代償を支払う必要があります。それは時に2~3mにもなり、競技者のため息のおまけもついたりします。

興味深いことには、最大の翼の滑空比が得られるのは時速20キロ近辺だということです。20キロから上はなだらかに悪化し、20キロから下側には急激に悪化します。となれば飛ばし方は明確で、速度を殺さないように飛ばせ、これだけです。
迎角を精密に制御するのは難しいことです。熟練ともなればある程度は見えてくるものらしいですが、駆け出しの僕にはさっぱりです。ならば、速度を殺さないように操舵をしろ、ということです。そこだけ気をつけて飛ばすだけで、あなたの翼は生き生きと空を駆け回ることでしょう。
もう一つ、アドバイスを加えるとすれば、ピッチングを起こしそうになったら通常はダウン舵を打って速度を維持しますが、上昇風センタリング中に有効な手としてエルロンを操舵し、深い角度に横転するやりかたもあります。
2009年2月15日日曜日
より高い打ち上げをするために
この記事を書こうとして私は何度もためらいました。打ち上げのセオリーはないに等しく、各人各様、皆違う身体をさばきをし、打ち上げ角度も実に様々です。また短時間で行われる現象のため、解析もしづらいものであり、そこに統一された理論を持ち込むのはきわめて困難な作業に見えます。
ただ、これを敢えて行わないことには、このブログの価値も半減してしまうと考えました。そこで、本稿では要素のみを並べ、そこに解説を付属するのみとします。
*最終時の腕の引き込み
打ち上げ時の最終段階に、ペグを指に引っかけ、さらに腕を引き込む動作を行う動作があります。これは、身体能力がそれほど強力でないとか、年配であるとかの方には有効な手段です。加速時の機体の重心位置は、ポッド上・翼の中心位置前後にあります。そこに150g前後の空気抵抗が後方に引きますし、さらに加速時にも反作用が生じますので、指をペグが離れる寸前の機体は、競技者のかなり後方に位置します。このまま素直にリリースするのではなく、能動的に①左側に倒れ込む②腕を引きつける、のような動作を行い、遅れてきた機体に対してY軸方向に引き込んでやります。(X軸:前後方向、Y軸:スパン方向、Z軸:上下方向)
ベクトルというものはもうお忘れかと思いますが、上記のような動作を行うと、X軸方向にも力が生じます。これが、最後の加速に使用できます。
デメリットもあります。この投げ方は、機体にかかる負担が大きいのです。力のかかる向きが打ち上げ時最終時に急変します。機体には補強が必要で、その補強が機体を重くし、結果として打ち上げ高度に悪影響を及ぼす可能性があります。この投げ方は、最後のスパイス的に使用するのがよいと感じます。
*加速区間では腕を伸ばす
同じ回転数のプロペラの、プロペラ先端の接線速度・・・打ち出し速度・・・は、同じ回転数のプロペラであれば、当然ながらプロペラ半径が大きい方が速くなります。同じ理屈で、打ち上げ時の加速区間では意識して腕を長く伸ばすべきです。
誤解を恐れず言い切ると、回転する力は下半身から生じます。70キロ前後の人間を動かす力が生じていますので、たかだか200g前後のHLGを振り回すのは訳ありません。下半身から力強く発生しているトルクを速度に変換するためには、長いアームが必要です。腕を伸ばして打ち上げてください。
*左腕は引き込む
回転開始時には送信機を抱えた左腕はのばしておき、打ち上げの最終段階にかかるにつれ引き込んでゆきます。アイススケートのピルエットと思い起こすと、腕を引きつけると回転速度が速くなるはずです。同じ効果を狙い、重い左腕と送信機にあるエネルギーを回転速度に転換します。効果はちょっぴりですが、やらないよりましです。
*下半身のとりまわし
なぜ人間が回転することができるのか、考えてみましょう。足を運んでいるからです。当たり前ですね。足を固定したままで投げてみましょう。ミニ機ではよくやるのかもしれませんが、フルサイズ機でいくら腕に力を込めても、ろくな高さまで上がりません。腕力は強いのに!なぜでしょう。
200gのHLGであっても、加速には時間がかかるのです!・・・いえ、あなたの重い重い胴体に繋がった、これまた数キログラムもある腕を加速するためには、長い長い加速区間が必要になってしまうのです。
長い加速区間を取るためには、回転しないと無理なんです。回転するために、足を運びます。・・・で、あるのなら、加速区間が長く取れるという目的のために足の運びを見直してみます。
足の立つ位置を種々変えながらゆっくりと回転してみます。デッサンなどをされる方なら、ダミー人形を動かして客観的に見るのも良いかもしれません。
種々試行するうち、加速区間が長く取れる位置があるはずです。表現を変えます・・・最も腕を長い距離振り回せる場所があるはずです。そこです!自分にしみこんだ投げ方を改造するのは勇気の要ることですが、挑戦して下さい。挑戦する価値があることは間違いありません。自分の可能性を開拓するのはとてもワクワクする行為です。
ただ、これを敢えて行わないことには、このブログの価値も半減してしまうと考えました。そこで、本稿では要素のみを並べ、そこに解説を付属するのみとします。
*最終時の腕の引き込み
打ち上げ時の最終段階に、ペグを指に引っかけ、さらに腕を引き込む動作を行う動作があります。これは、身体能力がそれほど強力でないとか、年配であるとかの方には有効な手段です。加速時の機体の重心位置は、ポッド上・翼の中心位置前後にあります。そこに150g前後の空気抵抗が後方に引きますし、さらに加速時にも反作用が生じますので、指をペグが離れる寸前の機体は、競技者のかなり後方に位置します。このまま素直にリリースするのではなく、能動的に①左側に倒れ込む②腕を引きつける、のような動作を行い、遅れてきた機体に対してY軸方向に引き込んでやります。(X軸:前後方向、Y軸:スパン方向、Z軸:上下方向)
ベクトルというものはもうお忘れかと思いますが、上記のような動作を行うと、X軸方向にも力が生じます。これが、最後の加速に使用できます。
デメリットもあります。この投げ方は、機体にかかる負担が大きいのです。力のかかる向きが打ち上げ時最終時に急変します。機体には補強が必要で、その補強が機体を重くし、結果として打ち上げ高度に悪影響を及ぼす可能性があります。この投げ方は、最後のスパイス的に使用するのがよいと感じます。
*加速区間では腕を伸ばす
同じ回転数のプロペラの、プロペラ先端の接線速度・・・打ち出し速度・・・は、同じ回転数のプロペラであれば、当然ながらプロペラ半径が大きい方が速くなります。同じ理屈で、打ち上げ時の加速区間では意識して腕を長く伸ばすべきです。
誤解を恐れず言い切ると、回転する力は下半身から生じます。70キロ前後の人間を動かす力が生じていますので、たかだか200g前後のHLGを振り回すのは訳ありません。下半身から力強く発生しているトルクを速度に変換するためには、長いアームが必要です。腕を伸ばして打ち上げてください。
*左腕は引き込む
回転開始時には送信機を抱えた左腕はのばしておき、打ち上げの最終段階にかかるにつれ引き込んでゆきます。アイススケートのピルエットと思い起こすと、腕を引きつけると回転速度が速くなるはずです。同じ効果を狙い、重い左腕と送信機にあるエネルギーを回転速度に転換します。効果はちょっぴりですが、やらないよりましです。
*下半身のとりまわし
なぜ人間が回転することができるのか、考えてみましょう。足を運んでいるからです。当たり前ですね。足を固定したままで投げてみましょう。ミニ機ではよくやるのかもしれませんが、フルサイズ機でいくら腕に力を込めても、ろくな高さまで上がりません。腕力は強いのに!なぜでしょう。
200gのHLGであっても、加速には時間がかかるのです!・・・いえ、あなたの重い重い胴体に繋がった、これまた数キログラムもある腕を加速するためには、長い長い加速区間が必要になってしまうのです。
長い加速区間を取るためには、回転しないと無理なんです。回転するために、足を運びます。・・・で、あるのなら、加速区間が長く取れるという目的のために足の運びを見直してみます。
足の立つ位置を種々変えながらゆっくりと回転してみます。デッサンなどをされる方なら、ダミー人形を動かして客観的に見るのも良いかもしれません。
種々試行するうち、加速区間が長く取れる位置があるはずです。表現を変えます・・・最も腕を長い距離振り回せる場所があるはずです。そこです!自分にしみこんだ投げ方を改造するのは勇気の要ることですが、挑戦して下さい。挑戦する価値があることは間違いありません。自分の可能性を開拓するのはとてもワクワクする行為です。
2009年2月13日金曜日
無駄な筋肉を使わない
競技から離れ、皆が楽しんでいる様をリラックスして見るとき、操縦者の姿勢はあまりに個性に富み、彫像のデッサンにちょうど良いのではないかと妄想してしまうほどです。
どんなスポーツ・武術でも、身体を硬くしなさい、と教えるものはありません。
鏡の前でぐっと腕に力を入れてみてください。筋肉は収縮をしている筈ですが、腕は動いていません。なぜでしょうか。これは、拮抗筋というもののはたらきによります。一つの筋肉の動作に対し、別の筋肉が収縮し、全体として仕事をしない筋肉のことを言います。
では次の実験です。腕全体に力を入れたままで、腕を動かしてみてください。・・・動きはぎこちなく、さらにガタガタと震え、繊細な動きはできないものと思います。加えて、動く速度自体も遅い。更に加えれば、その動作のあとはとても疲れてしまいます。
さらに悪いことには拮抗筋を使う動作は、脳の処理能力を多く取ってしまうことです。操縦中は、動かす必要のない筋肉に貴重な脳の処理能力を割くべきではありません。
操縦中に身体を硬くしたり、彫像のようなポーズを取ってしまう気持ちはわかります。
気持ちはグライダーに搭乗し、体重移動しながら風と格闘しているのですから。でも、拮抗筋のデメリットに気がつけば、彫像になるのをやめ、地上の操縦者としてベストを尽くす方が賢明です。深呼吸でもして意識して身体から力を抜き、彫像をやめ、送信機を傾けたり上にしたり下にしたりするのをやめてください。送信機に傾き検知機能は付いておりませんし。
HLGはスポーツなのです。かろやかなステップで機体に正対して立って下さい。機体が流されているのに、まるで根でも生えているように足を固定し、身体や首をねじって機体を見ている彫像を目撃することがありますが、視野の傾斜や頭部の傾きは、バーティゴ(空間把握のミス)を産みやすいのです。
右のツバメは、身体はターンの最中ですが、頭部は地面と並行です。常に機体をまっすぐ見て、身体の力を抜き、指の先までリラックスすれば、あなたの能力は簡単に1.5倍にも2倍にもなるでしょう。
どんなスポーツ・武術でも、身体を硬くしなさい、と教えるものはありません。
鏡の前でぐっと腕に力を入れてみてください。筋肉は収縮をしている筈ですが、腕は動いていません。なぜでしょうか。これは、拮抗筋というもののはたらきによります。一つの筋肉の動作に対し、別の筋肉が収縮し、全体として仕事をしない筋肉のことを言います。
では次の実験です。腕全体に力を入れたままで、腕を動かしてみてください。・・・動きはぎこちなく、さらにガタガタと震え、繊細な動きはできないものと思います。加えて、動く速度自体も遅い。更に加えれば、その動作のあとはとても疲れてしまいます。
さらに悪いことには拮抗筋を使う動作は、脳の処理能力を多く取ってしまうことです。操縦中は、動かす必要のない筋肉に貴重な脳の処理能力を割くべきではありません。
操縦中に身体を硬くしたり、彫像のようなポーズを取ってしまう気持ちはわかります。

HLGはスポーツなのです。かろやかなステップで機体に正対して立って下さい。機体が流されているのに、まるで根でも生えているように足を固定し、身体や首をねじって機体を見ている彫像を目撃することがありますが、視野の傾斜や頭部の傾きは、バーティゴ(空間把握のミス)を産みやすいのです。
右のツバメは、身体はターンの最中ですが、頭部は地面と並行です。常に機体をまっすぐ見て、身体の力を抜き、指の先までリラックスすれば、あなたの能力は簡単に1.5倍にも2倍にもなるでしょう。
2009年2月12日木曜日
重量の影響
念入りに仕上げられた軽い機体を手にすると、投げてもいない内から心が浮き浮きします。軽い機体はそよ風のような弱い上昇風にも敏感に反応し、皆の羨望を集めながら自分を勝利に導いてくれるように見えます。多少頑丈さが損なわれるのが何だ。
さて、軽い機体も修理を繰り返し、だんだんと重くなってきてしまいます。もうこの機体もダメかな、価値のある内に誰かに売却しようかな、と考える時、それが当初に比べてどの程度劣化したか、気になりませんか?SuperGee2の設計の場合、220gの新品時と5%増しの231g時では以下のような差が生じます。
上記の数字は逆の読み方もできます。上昇風があまりなく、素早い移動が困難な風の強いコンディションであるならば、バラストを積んで機体を重くした方が、上空を我が物顔に飛び回れるということです。競技中には、ベタベタの無風・微風なんてことは滅多にないのです。上昇風が地形に強く依存することを思い起こせば、対気速度だけではなく、対地速度も重要だと言うことに強風時には気づかされます。
「先生」(鳶)の体重は、なんと1kg弱にもなるそうです。彼らは重い体重をL/Dに転換し、なるべく広い空域・・・いや地域で餌を探そうとしているのです。
さて、軽い機体も修理を繰り返し、だんだんと重くなってきてしまいます。もうこの機体もダメかな、価値のある内に誰かに売却しようかな、と考える時、それが当初に比べてどの程度劣化したか、気になりませんか?SuperGee2の設計の場合、220gの新品時と5%増しの231g時では以下のような差が生じます。
- 最小沈下率は、新品の方が約1.5%、良い
- 失速開始速度は、0.4km毎時、新品の方が良い(遅い)
- 打ち上げ高度は恐らく、2%程度新品の方が良い
- 最良時の滑空比L/Dは新品の方が約1.3%、「劣る」
上記の数字は逆の読み方もできます。上昇風があまりなく、素早い移動が困難な風の強いコンディションであるならば、バラストを積んで機体を重くした方が、上空を我が物顔に飛び回れるということです。競技中には、ベタベタの無風・微風なんてことは滅多にないのです。上昇風が地形に強く依存することを思い起こせば、対気速度だけではなく、対地速度も重要だと言うことに強風時には気づかされます。
「先生」(鳶)の体重は、なんと1kg弱にもなるそうです。彼らは重い体重をL/Dに転換し、なるべく広い空域・・・いや地域で餌を探そうとしているのです。
2009年2月11日水曜日
打ち上げ高度のために3 筋力について
HLG競技に加齢はどのような影響を及ぼすでしょうか?一般に身体を使うスポーツは多かれ少なかれ、加齢の影響を受け能力は減退する方向に行きます。
「私はもう、年だから、若い人にはかなわない」本当にそうなのでしょうか?もっと向上できる余地があるのに、駄目な口実として、筋力向上をあきらめていませんか?
年配者が若者を打ち負かしてしまうスポーツは、こと機材スポーツでは珍しいものではありません。年配者は思慮深く、ある意味無鉄砲な若者よりも素直に物事を吸収し、目を見張るような能力を発揮する力を持っています。自分のことがよく判っているために・・・自分の生かし方に於て迷いというものが少ないように見えます。
打ち上げ高度を得るために必要なトレーニングはなんでしょうか?腕立て伏せ、鉄アレイ運動、それが長続きすれば申し分なく、非常に強力な武器に変化するでしょう。ただ、地道な鍛錬は20世紀のもので、今は別のアプローチがあるように思えます。
まずは、考えてみましょう。運動の全ては脳が司っているのです。ゆっくりと身体を動かしながら、ものを投げるという動作を分解し、最高の速度で射出するためには、どのようなフォームが自分にとって望ましいのか、を全て考えます。ビデオで打ち上げの様子を撮ってもらうのも良いでしょうし、上級者の投げ方を参考にするのも良いと思います。大事なのは、全ての動きを分解バラバラにして、どの動きが次の動きにどのように繋がるのか、細かに分析してみることです。-最終的に必要なのは射出速度で、その為に必要な動作以外のものはなぜその動作をしてしまっているのか、それが本当に必要なのか、を吟味します。そして、改良のためには旧来の動作を自分に染みつかせないことです。常に柔らかい頭で変化を受け入れられるのであれば、その人に老化というものはないことでしょう。分析が済み、なすべき事の優先順位を決めたなら、それを一つずつ実行し、結果を吟味し、再トライを繰り返します。
筋力について言えば、野球のピッチングやゴルフのスイングを向上させるためのトレーニングが参考になることでしょう。見落とされがちですが、下半身をきちんとさばけることがきわめて大事です。物事は土台から上に積み上げるものです。下半身が踊っていれば、上半身も踊ってしまい、軸の通った打ち上げは難しくなります。散歩・自転車・階段の上り下りでさえ、HLGの為の能力向上と考え楽しんで行うようにすれば、日常生活までが楽しい遊びに繋がってゆくものとなります。
「私はもう、年だから、若い人にはかなわない」本当にそうなのでしょうか?もっと向上できる余地があるのに、駄目な口実として、筋力向上をあきらめていませんか?
年配者が若者を打ち負かしてしまうスポーツは、こと機材スポーツでは珍しいものではありません。年配者は思慮深く、ある意味無鉄砲な若者よりも素直に物事を吸収し、目を見張るような能力を発揮する力を持っています。自分のことがよく判っているために・・・自分の生かし方に於て迷いというものが少ないように見えます。
打ち上げ高度を得るために必要なトレーニングはなんでしょうか?腕立て伏せ、鉄アレイ運動、それが長続きすれば申し分なく、非常に強力な武器に変化するでしょう。ただ、地道な鍛錬は20世紀のもので、今は別のアプローチがあるように思えます。
まずは、考えてみましょう。運動の全ては脳が司っているのです。ゆっくりと身体を動かしながら、ものを投げるという動作を分解し、最高の速度で射出するためには、どのようなフォームが自分にとって望ましいのか、を全て考えます。ビデオで打ち上げの様子を撮ってもらうのも良いでしょうし、上級者の投げ方を参考にするのも良いと思います。大事なのは、全ての動きを分解バラバラにして、どの動きが次の動きにどのように繋がるのか、細かに分析してみることです。-最終的に必要なのは射出速度で、その為に必要な動作以外のものはなぜその動作をしてしまっているのか、それが本当に必要なのか、を吟味します。そして、改良のためには旧来の動作を自分に染みつかせないことです。常に柔らかい頭で変化を受け入れられるのであれば、その人に老化というものはないことでしょう。分析が済み、なすべき事の優先順位を決めたなら、それを一つずつ実行し、結果を吟味し、再トライを繰り返します。
筋力について言えば、野球のピッチングやゴルフのスイングを向上させるためのトレーニングが参考になることでしょう。見落とされがちですが、下半身をきちんとさばけることがきわめて大事です。物事は土台から上に積み上げるものです。下半身が踊っていれば、上半身も踊ってしまい、軸の通った打ち上げは難しくなります。散歩・自転車・階段の上り下りでさえ、HLGの為の能力向上と考え楽しんで行うようにすれば、日常生活までが楽しい遊びに繋がってゆくものとなります。
自機の作業時間を知る
あなたの機体は、打ち上げてから着陸するまで何秒間滞空できますか?
この質問に答えられない競技者は、私と同レベルで精進が足りません。上下方向に全く風がない場合・・・ほぼ存在しない状態ではありますが・・・にあなたが可能な限りの高い打ち上げを行い、その機体が地面に戻ってくるまでの時間を正確に計測しておくべきです。最小沈下率での時間を知りたいので、キャンバーは熱上昇風モードにセットしておくとよいでしょう。だれもライバルがいない早朝にこっそりとフィールドに出て、ストップウオッチ片手に計測を行います。
・・・なぜこっそりかって?「何してるんだ?」と問われて作業時間云々などということを説明すれば、小賢しい奴と思われるのが落ちだからです。もし、質問者が深い理解を示してくれた場合でも・・・その時間は明かさない方がいいでしょう。手の内を見せるようなものですから。
得られた時間が、あなたのカラータイマーです。最初の1/3、中盤の1/3、終盤の1/3を何に使うか。
チャンスは高度の自乗に比例する、という考え方からは、最初の1/3はギャンブルを行うのに最も適した時間だと言うことがわかります。思い切り足を伸ばし、上昇風をサーチするのに当てるのがよいでしょう。
不幸にして最初の1/3時間中に上昇風に恵まれなかった場合、次の1/3時間は最初の1/3時間の40%ほどの確率でしか上昇風を捕まえるチャンスがありません。他競技者の様子を素早く観察し、戦術を瞬時に決めます。ライバルが同じような高度でもがいている場合、上昇風を見つければ相手をやっつけることができます。対して、相手が既にずっと高い場合・・・この場合は千分率勝負でなるべく低い点数を取らないように飛び方を変更するべきでしょう。走り回る飛び方から、1秒でも長く滞空する飛び方に変更します。キャンバーを下ろし、更に注意深く速度制御を行い20キロメートル毎時を少し割るくらいの速度で「上昇風を探す悪あがきをしながら粘り強く滞空」するのが良いでしょうか。
上昇風のみが味方になるわけではありません。降下を続けてしまっていても、それが0.3m毎秒より少ない地帯・・・弱いリフト帯でもリフトはリフト・・・を探し、なるべくそこにとどまります。すぐ隣で競争相手が魅力的に見える上昇風でくるりと回っても、経験上そこに飛び込んでいくのは自ら負けに行くようなものですので避けた方が無難です。考えてもみてください、あなたはライバルの「下」にしか飛び込めないのです。下の方によりよい上昇風がある確率は、ほぼゼロですが、ライバルが急に下降風に捕まってしまう確率は、かなり大きいことでしょう。
最後の1/3時間は・・・チャンスはたったの10%ですが・・・ウエーブや地面効果を利用できますので、運動エネルギーを消費する操舵を控え、ひたすら粘りましょう。大事なのはやはり、速度を落としすぎない事です。時速17キロを割ると、あなたの機体の性能は急激に悪化することをいつも忘れないようにしてください。
この質問に答えられない競技者は、私と同レベルで精進が足りません。上下方向に全く風がない場合・・・ほぼ存在しない状態ではありますが・・・にあなたが可能な限りの高い打ち上げを行い、その機体が地面に戻ってくるまでの時間を正確に計測しておくべきです。最小沈下率での時間を知りたいので、キャンバーは熱上昇風モードにセットしておくとよいでしょう。だれもライバルがいない早朝にこっそりとフィールドに出て、ストップウオッチ片手に計測を行います。
・・・なぜこっそりかって?「何してるんだ?」と問われて作業時間云々などということを説明すれば、小賢しい奴と思われるのが落ちだからです。もし、質問者が深い理解を示してくれた場合でも・・・その時間は明かさない方がいいでしょう。手の内を見せるようなものですから。
得られた時間が、あなたのカラータイマーです。最初の1/3、中盤の1/3、終盤の1/3を何に使うか。
チャンスは高度の自乗に比例する、という考え方からは、最初の1/3はギャンブルを行うのに最も適した時間だと言うことがわかります。思い切り足を伸ばし、上昇風をサーチするのに当てるのがよいでしょう。
不幸にして最初の1/3時間中に上昇風に恵まれなかった場合、次の1/3時間は最初の1/3時間の40%ほどの確率でしか上昇風を捕まえるチャンスがありません。他競技者の様子を素早く観察し、戦術を瞬時に決めます。ライバルが同じような高度でもがいている場合、上昇風を見つければ相手をやっつけることができます。対して、相手が既にずっと高い場合・・・この場合は千分率勝負でなるべく低い点数を取らないように飛び方を変更するべきでしょう。走り回る飛び方から、1秒でも長く滞空する飛び方に変更します。キャンバーを下ろし、更に注意深く速度制御を行い20キロメートル毎時を少し割るくらいの速度で「上昇風を探す悪あがきをしながら粘り強く滞空」するのが良いでしょうか。
上昇風のみが味方になるわけではありません。降下を続けてしまっていても、それが0.3m毎秒より少ない地帯・・・弱いリフト帯でもリフトはリフト・・・を探し、なるべくそこにとどまります。すぐ隣で競争相手が魅力的に見える上昇風でくるりと回っても、経験上そこに飛び込んでいくのは自ら負けに行くようなものですので避けた方が無難です。考えてもみてください、あなたはライバルの「下」にしか飛び込めないのです。下の方によりよい上昇風がある確率は、ほぼゼロですが、ライバルが急に下降風に捕まってしまう確率は、かなり大きいことでしょう。
最後の1/3時間は・・・チャンスはたったの10%ですが・・・ウエーブや地面効果を利用できますので、運動エネルギーを消費する操舵を控え、ひたすら粘りましょう。大事なのはやはり、速度を落としすぎない事です。時速17キロを割ると、あなたの機体の性能は急激に悪化することをいつも忘れないようにしてください。
打ち上げ高度のために2 上がる機体とは
打ち上げ高度の高い機体を手に入れるのは、経済力のある競技者にとってはとても良い手段です。他ジャンルと違い、F3K競技に使用される機体の価格は一般的に低く、非常に労働集約的な製品にもかかわらずそのほとんどが10万円以内で全てが揃うというものになっています。10万円は確かに安価とは言えませんが、それで競技の上位に入れるだけの機材が手に入ると考えれば、比較的ローコストな機材競技とも言えるかもしれません。
さて、打ち上げ高度の高い機体とは、どのような機体なのでしょうか。前項でほぼ解答はでており、以下のような機体です。
上記の事実より、支配的なのはまず翼厚、次いで前縁投影面積(翼長)、翼面積であることがわかります。そしてアスペクトレシオと翼弦長自体はあまり重要でない。
翼面積が適度に小さく、翼厚が適度に薄く、全備重量が軽ければ・・・より高い打ち上げ高度が得られる機体である、と推論できます。
機体ベンダは、消費者に情報を提供するため、少なくとも翼面積や最大翼弦長、設計重量を公開すべきでしょう。
さて、打ち上げ高度の高い機体とは、どのような機体なのでしょうか。前項でほぼ解答はでており、以下のような機体です。
- 打ち上げ時に抗力が少ない
- 重量が少ない
- 翼面積が同一で、150ミリと180ミリの翼弦長の差を持つ主翼の、時速100キロ毎時時の抗力は、前者の方が約2%、少ない。
- 同じ180ミリで、翼面積が20デシ平方と22デシ平方では前者の方が7%、抗力が少ない。
- 最大翼弦が150ミリ、翼面積が20デシ平方、アスペクトレシオが11.25と16.2では前者の方が7.5%、抗力が少ない。
- 翼面積同一、150ミリ翼弦長で、翼厚が90%と100%の場合、前者の方が17%、抗力が少ない。
上記の事実より、支配的なのはまず翼厚、次いで前縁投影面積(翼長)、翼面積であることがわかります。そしてアスペクトレシオと翼弦長自体はあまり重要でない。
翼面積が適度に小さく、翼厚が適度に薄く、全備重量が軽ければ・・・より高い打ち上げ高度が得られる機体である、と推論できます。
機体ベンダは、消費者に情報を提供するため、少なくとも翼面積や最大翼弦長、設計重量を公開すべきでしょう。
打ち上げ高度のために1 機体のセット
打ち上げ高度をとりたい場合、今の状態から何が改善できるか冷静に考えてみましょうか。
これは、以下の2点に収束します。
打ち上げ動作をごくおおざっぱに表現すると、ある一定の力積を与える動作と簡略化できます。打ち上げ直後の機体の持つ運動エネルギーはこの力積(力×時間)に比例します。この式に重量は顔を出しませんので、打ち上げられた直後に機体が持つ、上昇のためのエネルギーは重かろうが軽かろうが同じです。同じエネルギーを与えれば、軽い機体の方が高い高度に達するのは自明です。
高度の持つ位置エネルギーはmghで表現されますから空気抵抗 を無視して考えると、機体重量が10%削減されると、到達高度は10%伸びることでしょう。実際には空気抵抗 は後述のように無視できるものでは到底なく、初速が早いほど大きく効きますから、10%までは達せず、精々5%から7%程度になると思われます。ともあれ、有効な手段であることには違いありません。
*空気抵抗 について
空気抵抗は、おおまかに速度の2乗で大きくなります。加速分まで考えると、空気抵抗は与えるエネルギー=競技者の筋肉に対して3乗の要素になり、非常に大きな影響を持つことがわかります。
SuperGee2の設計の場合、最良の取り付け角でも約115gの抵抗が130キロ毎時での打ち上げ時に発生します。
空気抵抗 の削減のために何ができるでしょうか。先ず、主翼や尾翼を固定している支柱を翼断面にします。同じ投影面積を持つ円柱と翼型とでは、後者の方が約1/8~1/10も抵抗が小さいのです。ペグやリンケージの突き出しも極力小さくし、かつ前面を丸め、後縁を薄くのばし翼型に近づけます。それが不可能であるのなら、流れの速度の遅い胴体にぴったり沿わせるように配置します。
*取り付け角について
最も大きな空気抵抗の削減方法は、ブームに対する主翼と尾翼の角度関係-取り付け角を見直すことです。取り付け角は、ゆっくりとした飛行時の特性にはほとんど影響を及ぼしません。それはトリムを与えることで小さなファクターとなります。
打ち上げ時には非常に大きく効きます。打ち上げ時にほぼまっすぐ飛ぶようなトリムを与えたとき、ブームやポッドを含んだ抗力が最小に・・・つまりは空気抵抗が最小に・・・なるように取り付け角をセットします。これは、前縁投影面積が最小という条件とは一致しないことに注意を払う必要があります。HLG用の多くの翼型では、-0.5度付近の迎角で打ち上げ時に必要な浮力に対し抗力が最小になります。
通常飛行時にも取り付け角は意味を持つことは持ちますが、前述の通りトリムで解決できます。繰り返しますが空気抵抗は速度の自乗で効きますので、低速時よりは高速時のセットにより注意を払うべきです。ごくおおざっぱには、HLGで使用される翼型のほとんどでは、取り付け角はゼロ-ゼロ-(ブームに対して)が一番抗力が少なくなります。
- 機体のセッティングを見直す
- 今の機体を捨て、良く上がると言われる機体に買い直す
- 打ち上げするための筋肉を増強する
- 投げ方を工夫する
これは、以下の2点に収束します。
空気抵抗 を削減する- 重量を削減する
打ち上げ動作をごくおおざっぱに表現すると、ある一定の力積を与える動作と簡略化できます。打ち上げ直後の機体の持つ運動エネルギーはこの力積(力×時間)に比例します。この式に重量は顔を出しませんので、打ち上げられた直後に機体が持つ、上昇のためのエネルギーは重かろうが軽かろうが同じです。同じエネルギーを与えれば、軽い機体の方が高い高度に達するのは自明です。
高度の持つ位置エネルギーはmghで表現されますから
*
空気抵抗は、おおまかに速度の2乗で大きくなります。加速分まで考えると、空気抵抗は与えるエネルギー=競技者の筋肉に対して3乗の要素になり、非常に大きな影響を持つことがわかります。
SuperGee2の設計の場合、最良の取り付け角でも約115gの抵抗が130キロ毎時での打ち上げ時に発生します。
*取り付け角について
最も大きな空気抵抗の削減方法は、ブームに対する主翼と尾翼の角度関係-取り付け角を見直すことです。取り付け角は、ゆっくりとした飛行時の特性にはほとんど影響を及ぼしません。それはトリムを与えることで小さなファクターとなります。
打ち上げ時には非常に大きく効きます。打ち上げ時にほぼまっすぐ飛ぶようなトリムを与えたとき、ブームやポッドを含んだ抗力が最小に・・・つまりは空気抵抗が最小に・・・なるように取り付け角をセットします。これは、前縁投影面積が最小という条件とは一致しないことに注意を払う必要があります。HLG用の多くの翼型では、-0.5度付近の迎角で打ち上げ時に必要な浮力に対し抗力が最小になります。
通常飛行時にも取り付け角は意味を持つことは持ちますが、前述の通りトリムで解決できます。繰り返しますが空気抵抗は速度の自乗で効きますので、低速時よりは高速時のセットにより注意を払うべきです。ごくおおざっぱには、HLGで使用される翼型のほとんどでは、取り付け角はゼロ-ゼロ-(ブームに対して)が一番抗力が少なくなります。
2009年2月10日火曜日
打ち上げ高度至上主義
優れたグライダー、優れた競技者とはなんでしょうか。それを「勝てる」ものであると定義するなら、最優先されるべき特性は「打ち上げ高度が高いこと」に間違いありません。
打ち上げ高度50mの中で、最も熱上昇風を掴みやすい高度範囲、そんなのわかるわけないだろ。定量的じゃないね。・・・その通りですね。では、上昇風を掴むチャンスが50mの中に均一に分布しているとして、貴方が高度5m以下で上昇風を掴む確率と、高度50mから45mの中で掴む確率は同じでしょうか?どうです?地上5mの中には屈辱しか埋まっていないように思えます。
・・・むろん、そこから上げ直し、ライバルを打ちのめせば一躍ヒーローですが。
打ち上げ高度は、高度の自乗倍の強度でチャンスが与えられることを思い起こすべきでしょう。多少他を犠牲にしてでも、打ち上げ高度が高い競技者と機体が、勝ちに恵まれるように思います。
他競技者に与える心理的影響も無視できません。敵の機体の特性がわかっていない場合、先ず打ち上げ高度が低いだけで「まいったな」という気分になります。「打ち上げの途端、もう差がついちゃってるんじゃないか」
日の下に新しいものなし。良く観察をすれば、同じ上昇風に入ったときの上昇率が良くない=最低沈下率が劣る、とか、足を伸ばしたときの沈下が大きい=L/Dが良くない、といった弱点が見えてくるはずであり、悲観するばかりでもないはずですが、競技中は脳の処理能力のほとんどが操舵に奪われるのでそこまで気が回りません。
さらに悪いことに、打ち上げ高度の低い機体は、高度の高い機体のウインド・ダミー(風見)にされてしまいます。上を飛ぶものにとって、これほど楽なことはありません。他の低い機体は、全てサーマルセンサーなのですから。
どうすれば高い打ち上げ高度が取れるのか、考えてみませんか。
- いや、俺のグライダーは最小沈下率が小さいぞ。打ち上げ高度は取れないが。
打ち上げ高度50mの中で、最も熱上昇風を掴みやすい高度範囲、そんなのわかるわけないだろ。定量的じゃないね。・・・その通りですね。では、上昇風を掴むチャンスが50mの中に均一に分布しているとして、貴方が高度5m以下で上昇風を掴む確率と、高度50mから45mの中で掴む確率は同じでしょうか?どうです?地上5mの中には屈辱しか埋まっていないように思えます。
・・・むろん、そこから上げ直し、ライバルを打ちのめせば一躍ヒーローですが。
打ち上げ高度は、高度の自乗倍の強度でチャンスが与えられることを思い起こすべきでしょう。多少他を犠牲にしてでも、打ち上げ高度が高い競技者と機体が、勝ちに恵まれるように思います。
他競技者に与える心理的影響も無視できません。敵の機体の特性がわかっていない場合、先ず打ち上げ高度が低いだけで「まいったな」という気分になります。「打ち上げの途端、もう差がついちゃってるんじゃないか」
日の下に新しいものなし。良く観察をすれば、同じ上昇風に入ったときの上昇率が良くない=最低沈下率が劣る、とか、足を伸ばしたときの沈下が大きい=L/Dが良くない、といった弱点が見えてくるはずであり、悲観するばかりでもないはずですが、競技中は脳の処理能力のほとんどが操舵に奪われるのでそこまで気が回りません。
さらに悪いことに、打ち上げ高度の低い機体は、高度の高い機体のウインド・ダミー(風見)にされてしまいます。上を飛ぶものにとって、これほど楽なことはありません。他の低い機体は、全てサーマルセンサーなのですから。
どうすれば高い打ち上げ高度が取れるのか、考えてみませんか。
上昇風中の操舵
多くの競技者は、他の競技者をだしぬいて熱上昇風を捕まえたことに浮かれ、荒い舵を打ちがちです。競技で一番良い成績を収めたいのであれば、荒い舵は慎むべきです。操舵はロスであることを肝に銘じます。熱上昇風に入ってコアを捕まえたならば、対気速度の維持に注意を払います。これは、最小沈下の迎え角を維持することと等価です。SuperGee2の設計の場合、最小沈下速度は約17キロ毎時、その時の迎え角は約5.5度です。迎え角の微妙な変化を遠方から確認することは不可能ですので、速度で代用します。無論、バンク角が大きくなるとそれは更に早い方向に行きますので、大凡時速20キロを維持するように旋回を続けるのが良いところでしょうか。時速20キロとは、運動不足の中年の競技者が全力疾走するのとほぼ同じ速度、シティサイクルの叔母様が国道を走り抜ける速度とほぼ同じです。案外速いのです。ゆっくり飛ばせば最小沈下速度を外れ、さらに失速の危険性も増しますので良いことはありません。速めの速度で回すことで、よりよい順位を手に入れることができるでしょう。
サーマルコアのサーチ
機体はその機体の持つ最小沈下率(たとえばSuperGee2の設計通りであれば約0.28m/Sec)よりも、上昇風の持つ垂直成分が小さい場合、対地高度を獲得することはできません。まして、上昇風の中で愚かな競技者(私のことです)はバタバタと操舵をしますので、最良の迎え角(機体のブームに対して約5.5度、速度にして約17.0km/h)を保つことができません。結果、1m/Sec近くもある極上の上昇風でないと「乗り切れなかった!せこいサーマルだ!」などという未熟な台詞を吐く羽目になります。
ウデの未熟な私は、同じ上昇風であれば最も良く上昇できる場所を探さねばなりません。一般的には、1周のセンタリングの間に最も上昇率のよい角度、その方向にコアがあることが多いものです。次の1周で、さっき上昇率が良かった方向へのフライトパスを長く取ります。これを繰り返し、熱上昇風の中心を探します。
ウデの未熟な私は、
素早く揚げるとは
うまいこと上昇風を見つけたなら、ある見極めを行った後にそこになるべく長時間とどまる努力をします。見極めとは、その上昇風の種別。熱上昇風であれば、旋回(センタリング)を繰り返し高度獲得することができますが、それが気流の盛り上がり(ウエーブ)に過ぎないこともあります。またその両者が混じり合ったような上昇風の場合があります。
見分け方は簡単ではありませんが、以下、熱上昇風の可能性が高い場合の機体挙動を示します。
・機体の一部が蹴られたように上がる(もしくは下がる)
・飛行速度が速くなったように見える
・舵の効きが良い
対して、ウエーブの場合は上記の反対となります。
・機体全体が持ち上げられる
・飛行速度は変わらない、対地速度はむしろ遅くなる
・舵の効きに変化無し
・風が強い場合が多い
ウエーブの場合、ベンチュリー効果で気流の流れる速度が速くなっていますので、風に正対している場合、対地速度は遅くなったように見えます。
ウエーブの場合、センタリングを行うのは得策ではなく、多くの場合、キャンバーを下ろして凧のように漂うか、小さな8の字旋回を繰り返してその空域に留まるべきです。それでも、多くの場合は、機体の持つ最小沈下率(約0.3m/毎秒)よりもよいウエーブがあることは希で、粘っていてもじわりじわりと高度を落としてしまいます。熱上昇風混じりのウエーブが飛び込んでくるのを辛抱強く待ちます。
見つけたのが首尾良く熱上昇風である場合、すぐに転舵しサーマルのコアのサーチに入ります。これは別稿にゆずります。
・機体の一部が蹴られたように上がる(もしくは下がる)
・飛行速度が速くなったように見える
・舵の効きが良い
対して、ウエーブの場合は上記の反対となります。
・機体全体が持ち上げられる
・飛行速度は変わらない、対地速度はむしろ遅くなる
・舵の効きに変化無し
・風が強い場合が多い
ウエーブの場合、
ウエーブの場合、センタリングを行うのは得策ではなく、
見つけたのが首尾良く熱上昇風である場合、
よりよい条件でのサーチ
高く上げてさっと走る。では走るときには何に注意を払ったらよいか考えます。
さらに悪いことに、操舵は速度を殺す操作になります。ターン後は加速のために更に高度を落とす必要があり、効率悪いことが解ります。
HLGの場合、基本直線飛行、それも偏流60~30度程度をしながら風上に向かうのが効率がよいように思います。
平らな地面の上をサーチし続けることは無駄が多いものです。熱上昇風の生い立ちを考えれば明白です。上空の空気よりも僅かに暖かな大気は、何らかのきっかけを以て上昇風に変化します。極めてゆっくりと、静かな環境で暖められた大気は、地面に長い間へばりついていることでしょう。それが剥がれて上昇風に変化するためには、地面の起伏、地面の表面特性の変化、木や建物などの遮蔽物などに衝突すること、が必要です。
熱上昇風のこの様な生い立ちを考えれば、前記変化のある場所の若干風下側の上空をサーチするのが最も理に適っていることが解ります。
下降風は、前記上昇風のことが頭に入っていれば、逆の操舵をすることにより避けられる確率が高まります。熱上昇風が上昇するのと同じ体積の下降風が、上昇風の周囲に生じます。恐らく・・・ですが、その分布は、風に対して熱上昇風の前方に多く、また後方に多いケースが多いように思います。無論、地形的要素を無視はできません。小さな池のそばに熱上昇風が生じたとき、下降風は高い確率で池の上から生じることでしょう。暖まりにくい、もしくはしめった場所の上を飛ぶことを先ずは避け、下降風に入ったら迅速に操舵を行いフライトパスを転換することで、先ずは下降風を避け、さらには上昇風に入る確率を高めます。フライトパスの転換角度ですが、60度から120度の間が良いように思います。
- 無駄なサーチをしない
- 上昇風のありそうな場所を探す
- 下降風を避ける
さらに悪いことに、操舵は速度を殺す操作になります。ターン後は加速のために更に高度を落とす必要があり、効率悪いことが解ります。
HLGの場合、基本直線飛行、それも偏流60~30度程度をしながら風上に向かうのが効率がよいように思います。
平らな地面の上をサーチし続けることは無駄が多いものです。熱上昇風の生い立ちを考えれば明白です。上空の空気よりも僅かに暖かな大気は、何らかのきっかけを以て上昇風に変化します。極めてゆっくりと、静かな環境で暖められた大気は、地面に長い間へばりついていることでしょう。それが剥がれて上昇風に変化するためには、地面の起伏、地面の表面特性の変化、木や建物などの遮蔽物などに衝突すること、が必要です。
- トタンの屋根(最近はガルバリウム鋼板と言うそうです)
- 競技者の乗ってきた自家用車(黒塗りならさらによい)
- 小屋や建造物、土手などの突起
- 冬の野原の枯れ草
- 野原の中のアスファルト道路
- 立木
熱上昇風のこの様な生い立ちを考えれば、前記変化のある場所の若干風下側の上空をサーチするのが最も理に適っていることが解ります。
下降風は、前記上昇風のことが頭に入っていれば、逆の操舵をすることにより避けられる確率が高まります。熱上昇風が上昇するのと同じ体積の下降風が、上昇風の周囲に生じます。恐らく・・・ですが、その分布は、風に対して熱上昇風の前方に多く、また後方に多いケースが多いように思います。無論、地形的要素を無視はできません。小さな池のそばに熱上昇風が生じたとき、下降風は高い確率で池の上から生じることでしょう。暖まりにくい、もしくはしめった場所の上を飛ぶことを先ずは避け、下降風に入ったら迅速に操舵を行いフライトパスを転換することで、先ずは下降風を避け、さらには上昇風に入る確率を高めます。フライトパスの転換角度ですが、60度から120度の間が良いように思います。
2009年2月9日月曜日
上昇風サーチ能力
ハンドランチグライダーに於ける、勝つための重要な要素、素早く上昇風を探すためにはどういったことが必要でしょうか。
一般的に「足がある」「足がないが浮く」などの表現がとられます。「足」とは何でしょうか。中速域(時速25キロ毎時以上の速度が取れる迎角で飛ぶとき)での滑空比L/Dと言えましょうか。
パワフルな競技者によって高く打ち上げられたグライダーが、上昇風をサーチすることを考えます。このとき、ゆっくり飛んではいけません。ゆっくり飛ぶと、上昇風に対する機体の反応はよく見えますし、最小沈下率あたりの迎角を使用すれば、降りてくるのも遅そうに見えますが、前項の通り上昇風をサーチする面積は、フライトパスの2乗に比例するために、足を伸ばさないゆっくりとした飛ばし方は不利なことが判ります。
もう一つ、下降風帯を突っ切る(すぐに90度のフライトパスに操舵すべきですが)場合、最小沈下率あたりのゆっくりとした速度では、突っ切る時間が長くなります。
上空に打ち上げたら、キャンバーを最小沈下率の位置に下げるべきではありません。むしろ、クルーズもしくはスピード!の位置に操舵し、スピーディーに上昇風のサーチに入るべきです。上昇風のただ中に入ったところで初めて、キャンバーを最小沈下率の位置(多くの翼型では+2度前後)に下ろし、素早い上昇を行います。
一般的に「足がある」「足がないが浮く」などの表現がとられます。「足」とは何でしょうか。中速域(時速25キロ毎時以上の速度が取れる迎角で飛ぶとき)での滑空比L/Dと言えましょうか。
パワフルな競技者によって高く打ち上げられたグライダーが、上昇風をサーチすることを考えます。このとき、ゆっくり飛んではいけません。ゆっくり飛ぶと、上昇風に対する機体の反応はよく見えますし、最小沈下率あたりの迎角を使用すれば、降りてくるのも遅そうに見えますが、前項の通り上昇風をサーチする面積は、フライトパスの2乗に比例するために、足を伸ばさないゆっくりとした飛ばし方は不利なことが判ります。
もう一つ、下降風帯を突っ切る(すぐに90度のフライトパスに操舵すべきですが)場合、最小沈下率あたりのゆっくりとした速度では、突っ切る時間が長くなります。
上空に打ち上げたら、キャンバーを最小沈下率の位置に下げるべきではありません。むしろ、クルーズもしくはスピード!の位置に操舵し、スピーディーに上昇風のサーチに入るべきです。上昇風のただ中に入ったところで初めて、キャンバーを最小沈下率の位置(多くの翼型では+2度前後)に下ろし、素早い上昇を行います。
ランチ高度
321をやるからには勝ちたいものです。クラブ内でも、競技会でも同じ。俺は勝ち負けには興味がないからといいつつ、やはり勝てると気分がいいものです。
それに、勝つというのは自分がどれだけ上達したか、また良い機体を持っているのか、という指標になります。ずっとへこんでいた人が、最新鋭機を入手したとたん負けなくなった、ということがあります。
負けないというのはどういう事なのか。ハンドランチ競技には先ず以下の要素があると考えます。
より高く、は、より広く・より長い時間、上昇風を探索できることを意味します。滑空比が同じだとすると、50mの打ち上げ高度の競技者と、60mの打ち上げ高度の競技者がサーチできる面積は、非常に単純な例として円形に回りながらサーチすることを考えると、高度分だけ円周長が長くなりますので、サーチできる円の面積は円周長の約2乗に比例し、前記の例では、60mの打ち上げ高度を持つ競技者のサーマルヒット率は50mの競技者の約1.44倍になります。
円形の真ん中にサーマルがあれば検知できませんし、軌跡長もものを言いますので2乗というのは正確ではないにしろ、実際競技した感覚では2乗に比例すると言い切って構わないと思います。
実際の滑空場では、低空にある熱上昇風ほど気まぐれで不安定であり、捕まえにくく、捕まえたとしても上昇率があまり良くはない、高度が上がれば安定したそれを捕まえやすいという要素もあります。
それに、勝つというのは自分がどれだけ上達したか、また良い機体を持っているのか、という指標になります。ずっとへこんでいた人が、最新鋭機を入手したとたん負けなくなった、ということがあります。
負けないというのはどういう事なのか。ハンドランチ競技には先ず以下の要素があると考えます。
- より高く打ち上げること。
- なるべく素早くサーマルを発見し、乗ること。
- より丁寧な操舵をし、効率よく上昇すること。
より高く、は、より広く・より長い時間、上昇風を探索できることを意味します。滑空比が同じだとすると、50mの打ち上げ高度の競技者と、60mの打ち上げ高度の競技者がサーチできる面積は、非常に単純な例として円形に回りながらサーチすることを考えると、高度分だけ円周長が長くなりますので、サーチできる円の面積は円周長の約2乗に比例し、前記の例では、60mの打ち上げ高度を持つ競技者のサーマルヒット率は50mの競技者の約1.44倍になります。
円形の真ん中にサーマルがあれば検知できませんし、軌跡長もものを言いますので2乗というのは正確ではないにしろ、実際競技した感覚では2乗に比例すると言い切って構わないと思います。
実際の滑空場では、低空にある熱上昇風ほど気まぐれで不安定であり、捕まえにくく、捕まえたとしても上昇率があまり良くはない、高度が上がれば安定したそれを捕まえやすいという要素もあります。
登録:
投稿 (Atom)